カーテンの隙間から漏れる光や冷気は、睡眠の質や冷暖房効率、そしてプライバシーに影響します。
そこで、家にある道具に少しの材料を足すだけでできる「マグネットで隙間をふさぐ自作アイデア」を、失敗しない手順とコツまで丁寧に解説します。
縫わずに貼る方法から、見た目をすっきり仕上げる方法、賃貸でも跡を残さないテクニック、安全性やコストの相場まで網羅します。
カーテンの隙間をマグネットで自作する手順とコツ

まずは材料の選び方と設計の考え方を押さえ、作業の全体像を明確にしておくと迷いません。
マグネットの種類や厚み、取り付け位置の差で仕上がりや使い勝手が大きく変わるため、最初に要件を整理してから実作業に入るのが近道です。
材料の選び方
カーテンの隙間を閉じる目的で使うマグネットは、大きく分けてネオジム磁石、フェライト磁石、マグネットテープの三種類が実用的です。
ネオジムは小型でも強力で、厚手の遮光カーテンや二重カーテンでもしっかり密着させたい場合に向きます。
フェライトは磁力が穏やかで価格も手頃、薄手のレースや軽い布地向けにバランスがよい選択肢です。
マグネットテープは長尺で面をつくれるので、カーテンの端に沿って連続的に貼りたいときに便利です。
ただし厚みが増すと開閉のドラッグ感が強くなるため、布地の硬さや使用頻度に合わせて過不足のない強さを選定しましょう。
| 種類 | 特長 | 向く布地 | 見た目 | 価格感 |
|---|---|---|---|---|
| ネオジム | 小さく強力 | 遮光・厚手 | 小型で目立ちにくい | 中〜やや高 |
| フェライト | 穏やかな磁力 | レース・薄手 | やや大きめ | 安価 |
| マグネットテープ | 長尺で面圧 | 幅広い | 帯状で一体感 | 安価 |
必要な工具
自作に必要な工具は難しいものではありませんが、仕上がりの精度は道具の揃え方で変わります。
カーテンに直接縫い付けるか、テープで貼るかによって準備が変わるため、先に方式を決めてから不足を補いましょう。
磁石はペアで位置合わせする必要があるため、仮止め用のテープやクリップがあるとズレを抑えられます。
また、金属定規やカッターを使う際は下敷きマットを併用し、安全第一で作業を行います。
- 裁ちばさみ・ロータリーカッター
- メジャー・定規・チャコ
- 仮止めクリップ・マスキングテープ
- 手縫い針・糸/布用両面テープ
- 瞬間接着剤(布・ゴム対応)
- マグネット(ペア数ぶん)・マグネットテープ
採寸と設計の考え方
採寸は「隙間の幅」だけでなく、「隙間が生じる高さ範囲」を押さえるのがポイントです。
特にセンター開きでは上部と中間、下部で重なり具合が異なることがあるため、三点以上で測り平均値と最大値を記録します。
磁石は吸着面が正対したとき最も力が出るため、布の厚みを挟んだ状態で向きが合うよう極性配置を設計します。
端部に縫い代やヘムがある場合は厚みが倍化するため、必要磁力は余裕を見積もると安心です。
見た目を重視するなら、磁石を等間隔で並べ、上からステッチで押さえて直線を強調すると目に美しくまとまります。
作り方の手順
まずはカーテンを吊ったまま隙間の発生ラインに印を付け、左右(または内外)どちらに磁石を持たせるか決めます。
次に、布端裏側に補強テープを貼り、マグネットの位置で小さなポケットまたは当て布を用意して固定強度を高めます。
ネオジムやフェライトの丸磁石なら、対になる位置に同サイズを用い、極性が反転するように配置して縫い留めます。
マグネットテープの場合は、テープ同士が向き合うようにして等長を貼り、端部は剥がれ防止のステッチを一周入れると長持ちします。
仮止め後はいったん吊り直して吸着具合と開閉抵抗を確認し、強すぎるときは配置間隔を広げるか薄い磁石に変更します。
取り付けの注意点
磁石は落下すると硬く割れることがあるため、縫い包む・当て布で覆うなど「露出させない」が基本です。
金属製のカーテンレールや窓枠が近いと意図しない吸着が起こるため、位置決めの際は実際の開閉動作で干渉を確認します。
床付近は掃除機やロボット掃除機と触れる可能性があるため、最下部は若干上げて設置するとトラブルを避けられます。
洗濯時は磁石同士が激しく当たらないようネットに入れ、乾燥機は避けて陰干しにすると劣化を抑えられます。
子どもやペットが触れる高さでは、外れにくい縫い付け方式を優先し、誤飲リスクを最小化しましょう。
カーテンの継ぎ足しを考えている方は、以下の記事も参考にしてください。
配置の工夫で仕上がりを高める

同じ材料でも配置や留め方の違いで、遮光性やドラフト低減、開閉の軽さが変わります。
ここでは動かしやすさと見た目のバランスを取りながら、よく使われる配置パターンを紹介します。
端を留めるシンプルな方法
最も手軽なのは、センター開きの合わせ目に沿って数十センチ間隔でペア磁石を等間隔に配置する方法です。
目安としては上・中・下の三点に加え、必要に応じて中間点を足すと、すき間風と光漏れの両方を抑えられます。
この方式は縫う箇所が少なく、既存カーテンを大きく加工せずに済むため、賃貸や仮設にも向いています。
ただし中央部だけでなく裾の「浮き」も同時に抑えたい場合は、裾ウェイトと併用すると効果が安定します。
- センターラインに印を付ける
- 上・中・下の三点に磁石ペアを配置
- 仮止めして吸着確認
- 問題なければ縫い留め・接着で本固定
- 裾の浮きにはウェイトを追加
面で受ける配置の考え方
隙間そのものをなくしたい場合は、線ではなく面で受ける配置が有効です。
具体的には、片側のカーテン端にマグネットテープ、反対側に薄い鉄板テープ(スチールバー)や極性を合わせたテープを貼ります。
面圧で吸着するため、開閉時の引っかかりが少なく、遮光・遮風の連続性も高くなります。
テープは角を丸めて剥がれを防ぎ、端部だけは縫いで補強すると耐久性が増します。
| 配置 | 効果 | 開閉の軽さ | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 点(丸磁石) | 必要部位を強力に固定 | やや軽い | 低 |
| 線(短冊テープ) | 光漏れを細く抑制 | 中 | 中 |
| 面(幅広テープ) | 遮光・遮風を広域で確保 | やや重い | 中〜高 |
賃貸での工夫
原状回復が求められる賃貸では、縫い付けよりも「貼って剥がせる」方式が安心です。
布用の弱粘着両面テープや、低粘着シールで作るポケットを使えば、退去時に糸目や穴を残さず処置できます。
窓枠側に鉄板テープを貼る場合は、塗装面を傷めにくい養生テープを下地に敷くと剥離が容易です。
見た目を損なわないよう、磁石はカーテンの裏側に仕込み、表からはステッチや帯のデザインとして馴染ませましょう。
採寸や貼り付けの前には必ず目立たない位置で粘着テストを行い、糊残りがないことを確認してから本番に移ります。
強さの選び方と安全性の確保

磁力は強ければよいわけではなく、開閉の重さや安全性とのバランスが重要です。
特に小さな子どもやペットがいる環境では、誤飲防止や衝撃対策を考慮した作りにする必要があります。
磁力の目安
必要な吸着力は「布の重さ」よりも「布の反発(戻ろうとする力)」で決まりますが、目安表をもとに余裕を持って選ぶと安定します。
丸磁石は直径と厚みが増すほど吸着力が伸びますが、布越しになると実効はおよそ半減する前提で見積もると現実的です。
テープは連続的に力を配分できるため、点で強い磁石よりも総合的に扱いやすい場合があります。
いずれも過剰に強すぎると開閉が引っかかるため、試し配置で力加減を体感してから本固定を行いましょう。
| カーテンの状態 | 推奨吸着力(1点あたり) | 推奨ピッチ |
|---|---|---|
| レース・薄手 | 300〜500g | 30〜40cm |
| 中厚・遮光1級 | 600〜1000g | 20〜30cm |
| 二重カーテン | 800〜1200g | 15〜25cm |
子どもとペットへの配慮
小型磁石は飲み込むと危険が大きいため、脱落しない構造にするのが大前提です。
露出を避け、二重の縫い囲みや強粘着+縫いの併用で固定力を高めつつ、表面は柔らかい当て布で覆います。
磁石の角はテープでも丸く面取りし、こすれで生地が破れないよう保護してください。
また、清掃や洗濯の際に磁石同士が激しく衝突しないよう、ネット使用や手洗いなどの配慮も効果的です。
- 露出させず二重固定にする
- 外れやすい位置は避ける
- 端部は角を丸める
- 洗濯はネット+弱水流
- 定期点検で緩みを発見
洗濯とメンテナンス
取り付け後は1〜2か月に一度、磁石の位置ズレや糸の緩み、テープの端浮きを点検すると長く使えます。
洗濯時は磁石同士が吸着して布を挟み込む現象が起きやすいため、ネットに入れてから洗い、脱水は短時間で切り上げます。
乾燥は直射日光を避けた陰干しが基本で、接着を伴う施工の直後は24時間以上の乾燥後に洗うと安心です。
もし吸着力が落ちたと感じたら、付着したホコリや糊汚れを拭き取り、位置合わせを微調整すると復活することが多いです。
長期的には、よく触れる下部だけ消耗品と割り切って交換できる構造にしておくと維持が楽になります。
コストと時間の現実的な目安

材料選びと施工方法によって費用も作業時間も大きく変わります。
ここでは一般的な幅100〜200cm程度の窓を想定し、費用の内訳と作業の段取り時間を目安として示します。
予算の内訳
最小構成ではマグネットテープと布用両面テープだけでも成立しますが、仕上がりや耐久を高めるなら補強テープや当て布も用意しましょう。
ネオジムは単価が上がるものの数を絞れば総額は抑えられますし、フェライトやテープは量に対するコスパが良好です。
工具を新規に買い足す場合は初期費が膨らむため、家庭にある互換品を活用したりレンタルを検討するのも手です。
| 項目 | 概算費用 | 備考 |
|---|---|---|
| ネオジム丸磁石(10〜12個) | 1,000〜2,000円 | 強力・小型 |
| フェライト丸磁石(10〜12個) | 500〜1,200円 | 安価・中強度 |
| マグネットテープ(1〜2m) | 400〜900円 | 面で吸着 |
| 布用両面テープ/補強テープ | 300〜800円 | 端部補強 |
| 当て布・糸など消耗品 | 200〜500円 | 見た目向上 |
作業時間の段取り
始めてでも半日あれば完了できますが、採寸と仮止めの見直しに時間をかけるほど仕上がりは安定します。
特にテープ方式は貼り直しが効きにくいため、仮貼り→試験→本貼りの三段階で進めると失敗が減ります。
縫い付け方式では、マグネットの位置ごとに小さなポケットを作ると脱落しにくく、外観も整います。
- 計画・採寸:30〜45分
- 仮止め・調整:30〜60分
- 本固定(貼り/縫い):45〜90分
- 点検・微調整:15〜30分
既製品との比較
市販の隙間防止グッズは手軽で失敗が少ない一方、窓サイズや生地の厚みに完全一致しない場合もあります。
自作はフィット感と色合わせ、見た目の一体感を追求でき、交換や拡張も自由度が高いのが利点です。
コスト面では、初回は工具分で拮抗することがありますが、二窓目以降は自作のほうが安く仕上がりやすくなります。
最終的には、開閉の軽さと遮光・遮風性能の妥協点をどこに置くかで選択が分かれるため、まずはテスト施工から始めるのが安全です。
納得がいけば本施工に進み、必要に応じて点の吸着から線・面の吸着へアップグレードしていくと無駄がありません。
要点を押さえて実用と見た目を両立する

隙間の幅と高さを複数点で採寸し、磁石の種類と配置を設計するだけで、カーテンの隙間はマグネットで確実に抑えられます。
強さは余裕を見つつも開閉の軽さと安全性を優先し、露出を避けた二重固定と定期点検で長持ちさせましょう。
賃貸では「貼って剥がせる」を基本に、まずは小規模なテスト施工で最適解を探るのがおすすめです。
材料や配置の工夫次第で、コストを抑えながらも遮光・遮風・見た目の三拍子を実現できます。



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